物件概要

種別
土地(旗竿地・古家あり)
所在地
福岡市早良区原
土地面積
38坪(約126㎡)
接道
旗竿部分の間口 約2.5m・通路部分 約15m
売却理由
相続(お父様の逝去に伴う遺産分割)
担当
蒲池 美鈴

売主 S.N様(50代男性・ご兄弟2名で共有)のケース

S.N様はお父様を亡くされ、ご兄弟2名で実家の土地を相続されました。遺産分割の結果、土地を売却して現金で分けることに。ところが、この土地は旗竿地でした。

旗竿地とは、道路に面する部分(間口)が狭く、細い通路を経てその奥に敷地が広がる形状の土地です。上から見ると旗竿のように見えることからこう呼ばれます。S.N様の土地は間口がわずか2.5m、通路部分が約15mもありました。

近所の不動産会社に相談したところ、「旗竿地は人気がない。正直なところ、かなり安くしないと売れません」とだけ言われ、具体的な提案もなく帰されたそうです。

蒲池の第一声 — 「この土地にはポテンシャルがあります」

蒲池は現地を訪問し、通路部分を歩き、奥の敷地を確認しました。そして、こう伝えました。

「確かに旗竿地なので、整形地と比べれば評価は下がります。ただ、この土地には良い条件もあります。奥の敷地は38坪で建築には十分な広さがあること、南西向きで日当たりが良いこと、そして原エリアは小中学校が近くファミリー層に人気があること。旗竿地だからこそ通りから奥まったプライベート感があり、それを好む買い手は確実にいます」

蒲池 美鈴

蒲池はネガティブな条件を正直に伝えた上で、ポジティブな訴求ポイントを明確にするという姿勢で査定に臨みました。

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3つの売却戦略を提示

蒲池が提示したのは、1つの査定額ではなく、3つの売却シナリオでした。

シナリオ想定金額特徴
A. 古家付きのまま売却1,450万円前後解体費用を買主負担。売主の持ち出しゼロ。
B. 解体して更地で売却1,550万円前後先に解体費180万円の持ち出し要。更地の方が買い手の印象が良い。
C. 建売業者への一括売却1,300万円前後スピード重視。2週間〜1ヶ月で決着。ただし金額は下がる。

S.N様ご兄弟は話し合いの末、シナリオA(古家付き売却)を選択。持ち出しゼロで、かつ時間的な余裕もある方針でした。

蒲池が取り組んだ「見せ方の工夫」

旗竿地は見せ方次第で印象が大きく変わります。蒲池は以下の工夫をして売り出しに臨みました。

旗竿地の売り出しで蒲池が実践したこと

① 通路部分の活用提案を添付 — 通路幅2.5mは普通車の駐車が可能。「縦列2台駐車+玄関までのアプローチ」の活用イメージを作成。
② 日当たりの良さを写真で証明 — 南西向きの敷地に午後の日差しが入る写真を季節・時間を考慮して撮影。
③ 建築プランの参考例を用意 — 38坪の旗竿地に建てられる間取り例(3LDK・延床95㎡)を概略図で添付。「建てられるイメージ」を具体化。

売却の経過

契約完了の記念
1

境界確定・売り出し準備

相続登記完了後、隣地との境界確認を実施。旗竿部分と隣地の境界が不明確だったため、蒲池が土地家屋調査士を手配し、約3週間で確定。

2

古家付き土地として売り出し

1,520万円で掲載開始。レインズ・ふれんず・ポータルサイトに加え、注文住宅メーカーへの個別紹介も実施。蒲池が作成した通路活用イメージと建築プラン例を添付。

3

1ヶ月目|問い合わせ3件

建売業者1社、注文住宅希望の個人2組から問い合わせ。「旗竿地だけど日当たりが良さそう」「駐車場が2台取れるなら十分」という反応。見せ方の工夫が効いた。

4

6週間目|購入申込み・価格交渉

注文住宅希望の30代ご夫婦から1,380万円の指値。蒲池が「通路部分の駐車可能性」と「建築プラン例」を改めて説明し、1,450万円で合意。

5

3ヶ月目|契約・引き渡し完了

買主のローン審査を経て無事契約。売り出しから約90日で引き渡し完了。S.N様ご兄弟は手取り額を均等に分割。

成約結果

1,450万円

査定額 1,450万円 → 成約価格 1,450万円
乖離率 0%|売却期間 90日

「売れない」を「売れる」に変えたもの

蒲池はこう振り返ります。

「旗竿地は確かに一般的には不人気ですが、"売れない"わけではありません。大切なのは、その土地のデメリットを正直に伝えた上で、メリットをきちんと可視化すること。通路の使い方、日当たり、建築可能な間取り——買い手が『ここに住む自分』をイメージできれば、旗竿地であっても選ばれます」

蒲池 美鈴

「売れない土地」を放置するリスク

相続した土地を「売れないから」と放置すると、毎年の固定資産税はもちろん、2023年施行の相続登記義務化に伴う過料リスク、特定空家認定による固定資産税の増額(最大6倍)など、コストが膨らんでいきます。「売りにくい」と思う土地こそ、早めに専門家に相談することをおすすめします。

S.N様の声

「最初に相談した会社に『売れない』と言われて途方に暮れていました。蒲池さんは土地の良いところを見つけてくれて、建築プランまで用意してくれた。おかげで想像以上の金額で売れて、兄弟でスムーズに分割できました。父も喜んでいると思います」

S.N様(50代)
蒲池 美鈴
蒲池 美鈴 不動産コンサルタント|土地・一戸建てチーム
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※ 本事例はお客様のプライバシー保護のため、物件所在地・価格等の一部を変更して掲載しています。事例の構成・経緯は実際の取引に基づいています。