3,000万円で売れても、手取りは2,700万円かもしれません。仲介手数料、税金、測量費、登記費用——差し引かれるものは多い。この記事では、3,000万円売却を想定して「マイホーム」「相続物件」「住み替え」のケース別に手取り額をシミュレーションします。
この記事の計算例について
以下の計算はあくまで一般的な条件を仮定した概算です。実際の手取り額は物件の取得価格・所有期間・ローン残高・適用される特例など、個別の条件によって大きく変わります。正確な金額は、査定時に個別にお伝えしています。
引かれるものの全体像
不動産を売却すると、売却代金から以下の費用が差し引かれます。
| 費用項目 | 概算(3,000万円売却時) |
|---|---|
| 仲介手数料(3,000万円×3%+6万円)×消費税10% | 約105.6万円 |
| 印紙税1,000万円超〜5,000万円以下の契約書 | 1万円 |
| 抵当権抹消費用司法書士報酬+登録免許税。ローン残債がある場合 | 約2万円 |
| ローン一括繰上返済手数料金融機関により異なる | 0〜3万円 |
| 譲渡所得税・住民税利益が出た場合のみ課税。特例適用で0円になることも | ケースにより変動 |
このうち最も金額が大きいのは仲介手数料(約105.6万円)と譲渡所得税です。特に税金は、物件の取得価格・所有期間・特例の適用によって、0円から数百万円まで大きく変動します。
3,000万円で売却した場合の手取り額の目安
約2,500万〜2,890万円
条件により大きく変動します。以下のケーススタディをご確認ください
ケース①:マンション(所有10年・ローン残あり)
ケース①
中央区の築15年マンションを3,000万円で売却。10年前に2,800万円で購入し、住宅ローン残高が1,200万円。居住用財産の3,000万円特別控除を適用。
手取り額の計算
ポイント
3,000万円特別控除が使えるため、譲渡所得税は0円です。ただしローン残債1,200万円の返済が大きく、手元に残るのは約1,689万円。売却価格だけでなく「ローン残高」が手取りに大きく影響するケースです。
ケース②:一戸建て(所有25年・ローン完済)
ケース②
城南区の築28年一戸建てを3,000万円で売却。25年前に3,500万円(建物2,000万円+土地1,500万円)で購入。ローンは完済済み。居住用財産の3,000万円特別控除を適用。
手取り額の計算
ポイント
ローンが完済済みのため、手取り額は大きくなります。一戸建ての場合、境界確定のための測量費用(30〜50万円)がかかることが多い点に注意してください。3,000万円特別控除により税金は0円です。
ケース③:相続した土地
ケース③
親から相続した早良区の土地(更地)を3,000万円で売却。親が40年前に500万円で取得。相続から3年以内の売却で、被相続人の居住用財産の3,000万円特別控除(相続空き家特例)は適用できないケースを想定。
手取り額の計算
相続不動産は「取得費」に要注意
相続した不動産の取得費は、親(被相続人)が購入した時の価格を引き継ぎます。数十年前に数百万円で購入した土地が3,000万円で売れると、大きな譲渡益が出て税金も高額になります。購入時の契約書が見つからない場合は「売却額の5%」が取得費とみなされ、さらに税金が増えることがあります。
3ケースの比較
同じ「3,000万円で売却」でも、条件によって手取り額には大きな差が出ます。
| 項目 | ケース① マンション | ケース② 一戸建て | ケース③ 相続した土地 |
|---|---|---|---|
| 売却価格 | 3,000万円 | 3,000万円 | 3,000万円 |
| 仲介手数料 | ▲ 105.6万円 | ▲ 105.6万円 | ▲ 105.6万円 |
| その他費用 | ▲ 5万円 | ▲ 41万円 | ▲ 41万円 |
| ローン返済 | ▲ 1,200万円 | 0円 | 0円 |
| 譲渡所得税 | 0円 | 0円 | ▲ 約478万円 |
| 手取り額 | 約1,689万円 | 約2,853万円 | 約2,375万円 |
| 売却価格に対する割合 | 約56% | 約95% | 約79% |
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ケース①ではローン残債の返済があるため手取りは56%に。ケース②はローン完済+特例適用で95%近くが手元に残ります。ケース③は特例が使えず税金が約478万円かかるため79%に。手取り額を決める最大の要因は「ローン残高」と「税金」であることがわかります。
手取りを増やすためにできること
① 3,000万円特別控除を確実に使う
居住用財産を売却する場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。居住しなくなってから3年以内の売却が条件のため、空き家にしてから放置しないことが重要です。詳しくは3,000万円特別控除 完全ガイドをご確認ください。
② 取得費の証拠を探す
相続した不動産の場合、親が購入した時の売買契約書が手取りに直結します。契約書が見つからないと「売却額の5%」が取得費となり、税金が跳ね上がります。実家の書類を探す、金融機関に当時のローン記録がないか確認するなど、できる限り取得費の証拠を探しましょう。
③ 譲渡費用をもれなく計上する
仲介手数料、印紙税、測量費用、建物の解体費用などは「譲渡費用」として売却益から差し引くことができ、税金の節税につながります。領収書は必ず保管しておきましょう。
④ 所有期間を確認する
売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えると「長期譲渡所得」となり、税率が約20%に。5年以下の「短期譲渡所得」だと約39%になります。あと少しで5年を超えるなら、少し待つことで税金が大きく変わる可能性があります。
⑤ 確定申告を忘れない
3,000万円特別控除などの特例は、確定申告をしないと適用されません。利益が出なかった場合でも、損益通算で税金が還付されることがあります。売却した翌年の確定申告は忘れずに行いましょう。
「手取り額の計算は個別性が非常に高く、同じ3,000万円の売却でもお客様の状況によって数百万円の差が出ます。Base-upでは査定のご依頼をいただいた際に、費用・税金を含めた手取り額の概算もお出ししています。『結局いくら手元に残るの?』がわかった状態で、売却するかどうかの判断をしていただけます」
Base-up 蒲池 美鈴査定時に「手取り概算」もお伝えしています
Base-upの査定では、売却価格だけでなく、仲介手数料・税金・ローン残債を考慮した「手取り額の概算」もお伝えしています。売却の判断に必要な情報を、わかりやすくお伝えすることを心がけています。
