物件概要

種別
マンション(3LDK・68㎡)
所在地
福岡市南区大橋
築年数
築12年
売却理由
離婚に伴う財産分与・共有名義の解消
名義
夫婦共有名義(持分 夫1/2・妻1/2)
住宅ローン残高
約1,400万円(連帯債務)
担当
牟田 太一

売主 T.K様ご夫妻のケース

T.K様ご夫妻は結婚8年目。お子様(小学2年生)がいらっしゃいました。離婚協議が始まり、最大の懸案が共有名義のマンションをどうするかでした。

夫・T.K様

40代

マンションを出て
賃貸に転居予定

妻・T.K様

30代

お子様と実家近くに
転居予定

ご夫妻ともに「売却して現金で分ける」方針では一致していたものの、「いくらで売れるのか」が争点でした。夫は「早く売って終わらせたい」、妻は「安く売られたくない」。この温度差が話し合いを膠着させていました。

ご夫妻の弁護士から「双方が納得できる査定を出してくれる不動産会社を入れましょう」と提案があり、Base-upにご相談いただきました。

離婚売却で最も難しいこと

率直に言います。離婚に伴う不動産売却は、通常の売却とは別物です。

物件の市場価値を調べて売り出す——プロセス自体は同じですが、売主が2人いて、それぞれの立場と感情が異なります。「なるべく高く」「なるべく早く」が同じ方向を向いていないケースがほとんどです。

1

価格の合意が取れない。一方が「2,800万円で売れるはず」と思い、もう一方は「2,500万円で早く売りたい」。感情が絡むと歩み寄れない。

2

連帯債務の処理が複雑。住宅ローンが残っている場合、売却代金でローンを完済し、残額を分配する必要がある。残債を下回る売却(オーバーローン)だと話がさらに難航する。

3

内覧の調整が困難。同居中の場合、どちらが在宅時に内覧を受けるか。退去後の場合は鍵の管理。些細なことが感情的な衝突に発展する。

4

意思決定に時間がかかる。購入申込みが入っても、双方の合意が必要。連絡が取りにくい関係だと、タイムリーな判断ができず買主を逃す。

Base-upが離婚売却で最も重視するのは、「感情」ではなく「数字」を判断基準にする環境をつくることです。

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牟田が最初にやったこと

牟田はまず、ご夫妻それぞれと別々に面談を行いました。

「ご一緒に話すと、どうしても感情が先に立ちます。まずはお一人ずつ、売却に対するご希望とご不安を整理させてください。そのうえで、市場データに基づいた査定額を双方にまったく同じ資料でお見せします」

牟田 太一

夫のT.K様は「早期決着」が最優先。赴任先の住居費と現在のローン返済の二重負担が重く、3ヶ月以内の売却完了を希望されていました。

妻のT.K様は「適正な金額」が最優先。お子様との新生活の資金として、財産分与の取り分を少しでも確保したいという思いがありました。

双方に同じ査定資料を提示

牟田は南区大橋エリアの同規模マンション(築10〜15年・60〜70㎡台)の直近1年間の成約事例8件を一覧にまとめ、双方にまったく同じ資料を送付しました。

成約価格の範囲は2,350万円〜2,680万円。中央値は2,480万円。これに対象物件の個別要因(南向き角部屋・大規模修繕済み・駅徒歩6分)を加味し、Base-upの査定額は2,580万円としました。

Base-up 査定額

2,580万円

南区大橋エリアの成約事例8件に基づく

ここで重要なのは、この数字がBase-upの「売りたい価格」ではなく、市場データから導かれた「売れる価格」であることを双方にきちんと説明したこと。根拠を示した査定額に対して、ご夫妻とも異論はありませんでした。

売却活動と「窓口一本化」のルール

ご夫妻の合意のもと、以下の取り決めで売却を開始しました。

✓ 売却開始時の取り決め

売り出し価格は2,650万円。査定額に若干の交渉余地を上乗せ。これ以上の上乗せはしないと双方合意。
価格変更の判断基準を事前に決める。4週間で内覧申込みが3件未満なら2,580万円に変更。これも双方事前合意。
連絡窓口はBase-up(牟田)に一本化。ご夫妻間で売却に関する直接のやり取りは行わない。牟田が双方に同時に同じ内容を報告。
購入申込みへの回答期限は48時間。「連絡がつかないから回答できない」を防ぐため、事前にルールを設定。
内覧は退去後に実施。夫は先に賃貸へ転居済み。妻とお子様も実家に仮住まい。空室状態での内覧に切り替え。

売却の経過

契約完了の記念
1

売り出し開始

2,650万円で掲載開始。レインズ・ふれんず・ポータルサイトに掲載。牟田が空室の状態で物件写真を撮影し直し、日当たりの良さと大橋駅からの近さを訴求。

2

2週間目|内覧4件

空室状態かつ適正価格帯だったため、反応は良好。4組が内覧。牟田がご夫妻双方に「内覧4件、手応えあり」と同時に報告。

3

4週間目|購入申込み

2組目の内覧者(30代ご夫婦)から購入申込み。2,550万円の指値。牟田が双方に連絡し、「2,580万円なら応じる」と48時間以内に回答。買主側も合意。

4

6週間目|売買契約

2,580万円で売買契約締結。ご夫妻双方が売主として署名。弁護士も同席。

5

8週間目|決済・引渡し

決済完了。住宅ローン残高1,400万円を完済し、売却諸費用を差し引いた残額を双方で分配。

売却代金の分配

売却代金の流れ

成約価格2,580万円
住宅ローン完済▲ 1,400万円
売却諸費用(仲介手数料登記費用等)▲ 約120万円
手取り額約1,060万円
夫の取り分(1/2)約530万円
妻の取り分(1/2)約530万円

実際の分配比率はご夫妻の離婚協議(財産分与の取り決め)に基づいて決定されました。ここでは持分割合どおりの1/2ずつとして記載しています。

売却結果

2,580万円で成約

査定乖離率 0.0%|売却期間 約2ヶ月

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この事例で牟田が心がけたこと

売却そのものは約2ヶ月でスムーズに完了しましたが、牟田が最も時間を使ったのは売却前の調整でした。

「離婚売却では、不動産会社が"どちらの味方か"と疑われた瞬間に信頼が崩壊します。だから私は最初から"双方に同じ情報を、同じタイミングで出す"と決めていました。査定の根拠も、内覧の状況も、申込みの内容も、すべて同時に同じ文面で報告しました」

牟田 太一

もう一つ、牟田が意識したのは「判断基準を事前にルール化すること」です。値下げのタイミング、回答期限、連絡方法——感情的になりやすい局面を、あらかじめ取り決めたルールで自動的に処理できるようにしました。

売却が完了した後、妻のT.K様からこう言われたそうです。

「牟田さんが"感情ではなくデータで判断しましょう"と最初に言ってくれたおかげで、売却中に元夫ともめることが一度もありませんでした。数字で見ると、高すぎず安すぎず、納得できる価格でした。離婚手続きの中で、不動産の売却だけは本当にスムーズでした」

妻・T.K様(30代)

離婚時のマンション売却で確認すべきこと

この事例をお読みの方に向けて、離婚に伴う不動産売却で確認すべきポイントを整理します。

離婚売却で必ず確認すべき5項目

住宅ローンの残高と名義。連帯債務か、連帯保証か、単独債務か。ローンの種類によって売却後の手続きが変わります。残高が売却価格を上回る(オーバーローン)場合は、売却自体ができない可能性も。
不動産の名義と持分割合。共有名義の場合、売却には全員の合意が必要。登記簿謄本で正確な持分を確認してください。
財産分与の方針を先に決める。「売却してから分け方を決める」は危険。売却代金の分配方法(持分どおり/協議割合)を事前に合意しておくべきです。
売却の意思決定ルールを決める。購入申込みへの回答、値下げの判断、内覧の対応——すべて事前にルール化。「その都度相談」だと時間がかかりすぎます。
第三者(不動産会社)を窓口にする。当事者間で売却の話をすると、金額以外の感情がぶつかります。不動産会社を窓口に一本化し、連絡は全て不動産会社経由にするのが最も安全です。

こんな不動産会社は要注意

片方とだけ面談して査定を進める:もう一方の立場が無視され、後から「聞いていない」となるリスク。
「とりあえず高めに出しましょう」と提案する:離婚売却で高値スタートは最悪の選択。売れない期間が長引くほど、精神的負担もローン負担も増える。
弁護士との連携を嫌がる:離婚売却は法律面の確認が不可欠。弁護士との連携をためらう会社は経験不足の可能性。
「離婚のことは聞かずに売却だけ進めます」と言う:一見配慮に見えるが、売却条件の背景を理解しないと適切な提案ができない。

牟田 太一
牟田 太一 不動産コンサルタント
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※ 本事例はお客様のプライバシー保護のため、物件所在地・価格等の一部を変更して掲載しています。事例の構成・経緯は実際の取引に基づいています。