この特例が使えないと
約600万円が税金で消えます。

計算例:3,500万円で購入したマイホームを5,000万円で売却。譲渡所得1,500万円。この特例を使えれば税金ゼロ。使えなければ、所得税+住民税で約300〜600万円(所有期間により変動)。たった1つの条件を見落とすだけで、この差が生まれます。

最も事故が多い期限ルール

「住まなくなった日から3年目の年末」までに売却しなければ、この特例は使えません。例えば2024年4月に転居した場合、期限は2027年12月31日。転勤や施設入所で空き家にしている方は、この期限を過ぎた瞬間に数百万円を失います。カレンダーに書いてください。

まず確認 — よくある勘違い4つ

正確なルールを知る前に、多くの売主が間違えるポイントを先に確認しておきましょう。1つでも心当たりがあれば、この記事を最後まで読む価値があります。

→ ⭕ 勘違いと正解

「税金がゼロになるなら確定申告はいらない」

確定申告しなければ控除は適用されず、後から追徴課税を受けるリスクがあります。税額がゼロでも申告は必須です。

「住み替えなら3,000万円控除+住宅ローン控除を両方使える」

併用不可です。旧居で3,000万円控除を使うと、新居の住宅ローン控除が売却年+前後2年の計5年間使えなくなります。どちらが有利かはケースによって異なります。

「相続した実家でもマイホームの3,000万円控除が使える」

自分が住んでいない限り「マイホーム」の特例は使えません。相続空き家には別の3,000万円控除(空き家特例)があり、条件が大きく異なります。

「3年前に引っ越したけど、まだ期限内のはず」

「住まなくなった日から3年目の年の12月31日」が期限です。引っ越しから「丸3年」ではありません。2022年4月に退去した場合、期限は2025年12月31日。売却活動期間を考えると余裕はありません。

使える人 / 使えない人 — 一発判定

まず自分がこの特例を使える立場かどうかを確認しましょう。

今住んでいるマイホームを売る人
最もシンプルなケース。条件を満たせばほぼ確実に使えます。

転勤・転居で空き家になった旧居を売る人
住まなくなってから3年目の年末までに売却すれば適用可。賃貸に出していた期間も含めてカウントされます。

住み替えで旧居を売る人
使えるが、新居の住宅ローン控除と併用不可。どちらが有利かシミュレーションが必要です。→ 住み替え時の税金で損しないために

相続した親の家を売る人
「マイホームの3,000万円控除」は使えません。ただし、別の「相続空き家の3,000万円控除」が使える可能性あり。条件は厳しめです。→ 相続不動産を売るときに知っておくべきこと

投資用・事業用の不動産を売る人
居住用財産ではないため対象外。ワンルーム投資、賃貸アパート、店舗、事務所などは使えません。

3年以内に同じ特例を使った人
売却した年の前年・前々年にこの特例を使っていると適用不可。3年に1度の制限があります。

親族間で売買する人
配偶者、親子、同居の親族などへの売却は対象外です。

Check Now

自分のケースで
使えるかどうか確認したい方

物件の状況・所有期間・住み替え先の有無によって、最適な特例の選び方は変わります。
Base-upでは、査定時に利用可能な特例と税引き後の手取り額をお伝えしています。

税金も含めた手取り額を確認する相場を知りたい・売却検討中の方

3,000万円特別控除とは — そもそもどんな制度?

正式名称は「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」。マイホーム(居住用財産)を売却したとき、譲渡所得から最大3,000万円を差し引くことができる制度です。ひとことで言えば、「マイホームを売って利益が出ても、3,000万円までなら税金ゼロにしてくれる」という仕組みです。

課税譲渡所得 = 譲渡所得 − 3,000万円

譲渡所得が3,000万円以下なら、課税譲渡所得はゼロ → 税額ゼロ

不動産売却で最も多く利用される特例で、所有期間の長短を問わず適用できるのが大きな特徴です。多くのケースで、この特例を使えば譲渡所得税はゼロになります。

3,000万円特別控除の税金教育フロー — 適用条件確認から税金還付まで

どのくらいの利益まで非課税になる?

控除額の上限は3,000万円。つまり、売却益が3,000万円以内であれば税金はゼロになります。例えば2,500万円で購入した自宅を4,500万円で売却した場合でも、諸費用を差し引いた譲渡所得が3,000万円以内に収まれば税金はかかりません。

適用を受けるための7つの条件

この特例を利用するには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

1

自分が住んでいる(住んでいた)家であること
別荘や投資用物件は対象外です。一時的な仮住まいも対象外となります。

2

住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
すでに引っ越し済みの場合は、この期限内に売却を完了する必要があります。

3

売主と買主が親族関係にないこと
配偶者、直系血族(親・子・孫)、同居の親族などへの売却では適用できません。

4

売却した年の前年・前々年にこの特例を利用していないこと
3年に1度しか使えません。

5

売却した年の前年・前々年に「買い換え特例」「譲渡損失の繰越控除」を利用していないこと

6

売却した家について、収用等の特例を受けていないこと

7

確定申告を行うこと
税額がゼロになる場合でも、確定申告しなければ適用されません。

「住んでいた」の判定

住民票だけでは判定されません。実際に生活の本拠としていたかどうかが重要です。光熱費の使用実績、郵便物の届け先、近隣の認識なども判断材料になります。住民票を移しただけの「住んでいた風」は認められません。

適用できない5つのケース

以下のケースでは、条件を満たしていても3,000万円特別控除を適用することができません。

住宅ローン控除と併用する場合
新居で住宅ローン控除を受ける場合、売却した家に3,000万円控除は使えません。どちらが有利か比較検討が必要です。

買い換え特例と併用する場合
「買い換え特例」は課税を将来に繰り延べる制度で、3,000万円控除とは選択適用になります。

居住用でない不動産
投資用のワンルームマンション、賃貸アパート、事務所、店舗、別荘など。一部を居住用・一部を賃貸にしていた場合は、居住用部分のみ適用可能です。

住まなくなってから3年超が経過した場合
正確には「住まなくなった日から3年目の年の12月31日」が期限です。この期限を1日でも過ぎると適用不可です。

特例を適用するためだけに入居した場合
税務署は実態を確認します。売却目的で一時的に住民票を移しただけの場合は認められません。

住宅ローン控除との「二択」問題

住み替えで新居を購入した場合、「旧居の3,000万円控除」と「新居の住宅ローン控除」は同時に使えません。一般的に、譲渡所得が大きい場合は3,000万円控除が、譲渡所得が小さくローンが大きい場合は住宅ローン控除が有利になりますが、ケースによって異なるため必ず税理士に相談してください。

計算例① — 譲渡所得が3,000万円以下

ケース:博多区・築12年・マンション

12年前に2,800万円で購入 → 3,800万円で売却

売却価格3,800万円
取得費(減価償却後)2,590万円
譲渡費用(仲介手数料等)132万円
譲渡所得1,078万円
3,000万円特別控除−1,078万円
課税譲渡所得0円

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譲渡所得税

0

譲渡所得が3,000万円以下に収まるケースでは、この特例を使えば税金はゼロです。福岡市のマンション売却では、多くのケースがこのパターンに該当します。

計算例② — 譲渡所得が3,000万円超

ケース:中央区浄水・築15年・タワーマンション

15年前に4,500万円で購入 → 8,500万円で売却
高騰エリアのため、大きな売却益が発生

売却価格8,500万円
取得費(減価償却後)4,095万円
譲渡費用288万円
譲渡所得4,117万円
3,000万円特別控除−3,000万円
課税譲渡所得1,117万円
【10年超所有軽減税率を適用】
6,000万円以下の部分 × 14.21%1,117万円 × 14.21%
税額約158.7万円

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3,000万円控除 + 10年超軽減税率の場合

約158.7万円

仮にこの特例を使わなかった場合、4,117万円 × 20.315% = 約836万円の税金がかかります。3,000万円控除と10年超軽減税率を組み合わせることで、約677万円の節税になる計算です。

高額売却でも使える

3,000万円特別控除に売却価格の上限はありません。1億円で売却しても、5億円で売却しても、条件を満たせば3,000万円の控除を受けられます。

他の特例との組み合わせ

3,000万円特別控除は、一部の特例と併用でき、一部とは併用できません。

特例 併用 備考
10年超所有軽減税率 ⭕ 可能 最も有利な組み合わせ。控除後の残額に14.21%の軽減税率を適用
買い換え特例 ✕ 不可 どちらか一方を選択。一般的に3,000万円控除の方が有利なことが多い
住宅ローン控除(新居) ✕ 不可 入居した年とその前後2年(合計5年間)の制限あり
相続空き家の3,000万円控除 ✕ 不可 別の制度。条件に合う方を選択
譲渡損失の繰越控除 損が出た場合の特例のため、3,000万円控除とは状況が異なる

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相続空き家の3,000万円特別控除

手取り額のシミュレーション

マイホームの3,000万円控除とは別に、相続した空き家を売却した場合にも3,000万円の特別控除が受けられる制度があります。正式名称は「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」です。

適用条件

条件 内容
建物の要件 昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された家屋(旧耐震基準の建物)
居住の要件 相続開始の直前まで被相続人が一人で住んでいたこと
売却方法 耐震リフォームして売却するか、建物を解体して更地で売却すること
売却期限 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
売却価格 売却価格が1億円以下であること
利用状況 相続から売却まで、居住・賃貸・事業に使用していないこと

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2024年1月からの改正点

2024年1月1日以降の譲渡から、相続人が3人以上の場合は控除額が2,000万円に引き下げられました。また、売却後に買主側で耐震リフォームや解体を行う場合でも適用可能になるなど、要件が一部緩和されています。

「一人暮らし」の要件に注意

被相続人が亡くなる直前に同居人がいた場合(例:被相続人と配偶者が同居していた場合)は、この特例を使えません。ただし、老人ホームに入居していた場合は、一定の条件を満たせば「住んでいた」と認められるケースもあります。

確定申告の手続きと必要書類

確定申告の準備

3,000万円特別控除の適用を受けるには、売却した翌年の確定申告が必須です。税額がゼロになる場合でも、申告しなければ控除は適用されません。

確定申告の時期

売却した年の翌年、2月16日〜3月15日の間に所轄の税務署に申告します。e-Taxでの電子申告も可能です。

必要な書類

必須

確定申告書B・第三表(分離課税用)

税務署で入手するか、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で作成

必須

譲渡所得の内訳書(確定申告書付表)

売却価格、取得費、譲渡費用の明細を記入。税務署で入手

必須

売買契約書のコピー(売却時)

売却価格・売却日の証明として

必須

売買契約書のコピー(購入時)

取得費の証明として。紛失している場合は概算取得費(5%)になる

必須

住民票の除票またはマイナンバーカード

その物件に住んでいたことの証明

必須

登記事項証明書(全部事項証明書)

法務局で取得。所有期間の確認に使用

任意

仲介手数料・測量費等の領収書

譲渡費用の証明として

Base-upでは書類を整理してお渡しします

売却完了後、確定申告に必要な書類一式を整理してお渡ししています。税理士にそのまま持ち込める状態にまとめますので、申告の準備がスムーズです。

よくある質問

税金関連書類の確認

Q. 共有名義の場合、控除はどうなる?

共有名義の場合、それぞれが3,000万円の控除を受けられます。夫婦の共有名義なら、最大6,000万円の控除が可能です。ただし、それぞれが確定申告を行う必要があります。

Q. 転勤で賃貸に出していた場合は?

転勤で一時的に賃貸に出していた場合でも、最後に住まなくなってから3年以内であれば適用できます。ただし、賃貸に出している間は「居住していない」扱いなので、期限に注意が必要です。

Q. 家を取り壊して更地で売る場合は?

家を取り壊した場合は、取り壊した日から1年以内に売買契約を結ぶこと、かつ住まなくなってから3年以内であれば適用できます。取り壊した後の土地を駐車場などに利用していた場合は適用外です。

Q. 何度でも使える?

使えるのは3年に1度です。売却した年の前年・前々年にこの特例を使っていると適用できません。

Q. 購入時の売買契約書がなくても使える?

3,000万円特別控除の適用自体は、購入時の契約書がなくても受けられます。ただし、取得費が概算取得費(売却価格の5%)になるため、譲渡所得が大きくなり、控除額を超えてしまう可能性があります。

Base-upのサポート

費用の計算と資金計画

3,000万円特別控除は、不動産売却において最も重要な税制優遇です。Base-upでは、売却の初期段階からこの特例を考慮したアドバイスを行っています。

査定時に「使える特例」をお伝えする

査定報告の際に、お客様のご状況に応じて利用可能な特例をお伝えし、税引き後の手取り概算額を算出します。「結局いくら残るのか」がわかることで、売却の判断がしやすくなります。

売却タイミングのアドバイス

「住まなくなってから3年以内」の期限や、所有期間による税率の違いなど、売却タイミングが税額に大きく影響する場合があります。お客様にとって最適なタイミングを一緒に考えます。

確定申告のサポート

売却完了後は、確定申告に必要な書類を整理してお渡しします。税理士が必要な場合は、不動産売却の確定申告に精通した提携税理士をご紹介します。

「税金が心配」は、査定と一緒にご相談ください

「売却したら税金はいくらかかるのか」「この特例は自分に使えるのか」といった疑問は、査定の段階でお答えできます。売却するかどうか決まっていなくても構いません。ご相談いただけます。