鹿児島本線の千早駅と箱崎駅の間に、新しい駅「JR貝塚(じぇいあーるかいづか)駅」ができます。JR九州は2026年10月15日に、開業時期を2027年春(予定)と発表しました。
この記事では、まず発表資料で分かっていること(いつ・どこ・何が新しいか)をまとめ、まだ発表されていないことを分けて書きます。後半では、新駅のまわりのエリアの売出の状況を、当社が毎月集計しているデータでお伝えします。
要点(2026年11月3日時点)
いつ:2027年春に開業予定(JR九州 2026年10月15日発表)。開業の日付はまだ発表されていません。
どこ:鹿児島本線の千早駅〜箱崎駅の間。千早駅から2.3km、箱崎駅から1.7kmです(JR九州 2025年12月25日発表)。
何が新しいか:九州で初めての「顔認証改札」と、生成AIを使った改札口での問い合わせ対応を導入する予定です。駅と同時に自由通路も使えるようになる予定です(福岡市)。
JR貝塚駅の場所
JR貝塚駅は、鹿児島本線の千早駅と箱崎駅の間にできます。JR九州の発表では、千早駅から2.3km、箱崎駅から1.7kmの位置です。鹿児島本線は、箱崎駅・吉塚駅を経て博多駅へつながる路線です。
新駅の場所は、福岡市が進めている「貝塚駅周辺土地区画整理事業」の地区と重なります。福岡市の事業計画書によると、この地区は次のとおりです。
| 項目 | 内容(事業計画書 第3回変更・令和6年3月) |
|---|---|
| 地区に含まれる町 | 東区筥松3丁目・筥松4丁目・箱崎6丁目・箱崎7丁目の各一部 |
| 面積 | 約23.4ha |
| 地区に含まれるもの | 地下鉄箱崎線・西鉄貝塚線の貝塚駅、九州大学箱崎キャンパス跡地、箱崎中学校など |
| 駅前広場 | 貝塚駅西口・貝塚駅東口・JR新駅の3か所 |
| 事業の期間 | 令和3年3月29日〜令和11年3月31日 |
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つまり、JR新駅は地下鉄・西鉄の貝塚駅や九大跡地と同じ区画整理の地区の中にでき、その駅前広場もこの事業で整えられます。ただし、新駅の改札が地下鉄・西鉄の貝塚駅から何分の位置になるかは、発表を確認できていません(下の「まだ発表されていないこと」)。
駅名と開業時期が決まるまで
| 日付 | できごと(発表元) |
|---|---|
| 2021年3月29日 | 貝塚駅周辺土地区画整理事業の事業計画の決定を公告(福岡市) |
| 2025年4月25日〜6月30日 | 新駅の名前を募集。応募は10,551件(JR九州) |
| 2025年12月25日 | 駅名を「JR貝塚」に決定。開業時期は「2027年」(予定)と発表(JR九州) |
| 2026年10月15日 | 開業時期を「2027年春」(予定)と発表。顔認証改札などの新技術の導入も発表(JR九州) |
| 2026年冬頃(予定) | 福岡都市圏の列車の運行体系の詳細を発表する予定(JR九州) |
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駅名の募集では、上位3案が「貝塚」(946件)、「JR貝塚」(722件)、「新貝塚」(708件)で、どれも地域の名前の「貝塚」を含んでいました。JR九州は、利用者に分かりやすく親しみやすい名前として「JR貝塚」に決めたとしています。地下鉄・西鉄の貝塚駅とは、頭の「JR」で区別する名前です。
新駅のまわりで同時に進むこと
1. 区画整理(福岡市)。九大箱崎キャンパス跡地を含む約23.4haで、道路・駅前広場・公園を整え直します。事業計画書では、地区の中央部から南部は商業・業務・住宅など幅広い土地利用を誘導し、北部のJR鹿児島本線と宇美川に挟まれた範囲は主に住宅を誘導する、としています。計画人口は2,300人です。既存の貝塚公園も再整備する計画です。
2. 九大箱崎キャンパス跡地のまちづくり。跡地の土地利用事業者として、住友商事を代表とする8社(ほかにJR九州・西部ガス・清水建設・大和ハウス工業・東急不動産・西日本新聞社・西日本鉄道)が2026年3月26日に正式に決まりました。2028年度のまちびらきを目指すと発表されています。跡地の再開発の全体像は九大箱崎キャンパス跡地の再開発の記事で扱っています。
3. 列車の運行体系の見直し(JR九州)。JR九州は、JR貝塚駅の開業と福工大前駅の線路設備の改良(2027年春に完成予定)にあわせて、福岡都市圏の列車の増発や、発車の間隔をできるだけそろえる「等間隔ダイヤ」「パターンダイヤ」を検討しています。資料には、博多駅12時台の上り(香椎・小倉方面)で区間快速と普通をあわせて10分おきにする「検討中」の例が載っています。詳細は2026年冬頃に発表される予定です。
まだ発表されていないこと
2026年11月3日時点で、次のことは発表を確認できていません。分かり次第、この記事に書き足します。
- 開業の日付
- 止まる列車の種別(快速・区間快速が止まるか)と本数、時刻表
- 地下鉄・西鉄の貝塚駅との乗り換えの経路と歩く時間、自由通路の位置
- 九大跡地につくられる住宅の戸数と、分譲・入居の時期
運行体系の詳細は「2026年冬頃」に発表される予定です。開業の日付がそこで示されるかどうかは、まだ分かりません。
周辺エリアの売出の状況【当社集計】
当社は福岡市を64の生活圏エリアに分け、毎月1日に売出の状況を集計しています。新駅の区画整理の地区がある箱崎・筥松のエリアと、Base-up のエリア名に「貝塚」が入る原田・松田(貝塚)、隣のJR駅がある千早・名島の最新号(2026年11月号・10月31日時点)の数字は次のとおりです。
| エリア(対象の町名) | マンション売出中 | 売出㎡単価の中央値 | 公表取引事例(直近2年) |
|---|---|---|---|
| 馬出・箱崎(箱崎・馬出・東浜・箱崎ふ頭) | 43件 | 60.1万円/㎡ | 199件 |
| 筥松・松島(筥松・松島・筥松新町) | 15件 | 32.1万円/㎡ | 39件 |
| 原田・松田(貝塚)(原田・松田・郷口町・貝塚団地) | 37件 | 33.7万円/㎡ | 123件 |
| 千早・名島(香椎団地・千早・名島・松崎) | 62件 | 44.6万円/㎡ | 156件 |
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参考までに、東区全体の売出中マンションは563件、売出㎡単価の中央値は45.7万円/㎡です(2026年11月時点の当社集計・毎週更新、東区の売却相場レポート)。
同じ新駅のまわりでも、エリアによって水準は大きく違います。売出㎡単価の中央値は、その月に売りに出ている物件の顔ぶれ(築年数・広さ)でも動きます。たとえば馬出・箱崎では、2024年に建った棟の売出が7件あります(2026年10月26日時点の棟別相場)。ご自身の物件に近い条件は、各エリアのレポートに載っている棟ごとの売出件数と価格で確かめるのが確実です。
新駅で相場は動くか
「新駅ができれば周辺は値上がりする」という声はよく聞きますが、当社は一律にそうなるとは考えていません。理由は3つです。
1. 新駅の計画は、すでに知られている。JR貝塚駅は2025年12月に駅名が決まり、公表されています。買い手も新駅を知ったうえで価格を判断するため、開業を待たずに価格の判断に入っていきます。2023年3月の七隈線の博多延伸でも、当社の集計では「沿線だから一律に高い」ではなく、駅や区によって水準が大きく分かれていました(七隈線の博多延伸で沿線マンション相場はどう動いたか)。
2. このエリアにはすでに駅がある。新駅の地区には地下鉄・西鉄の貝塚駅がすでにあります。JR貝塚駅で増えるのは主に鹿児島本線の選択肢で、どれくらい便利になるかは、止まる列車と乗り換えの経路(どちらも未発表)しだいです。
3. 新しい住宅も増える。区画整理の地区は主に住宅を誘導する範囲を含み、九大跡地は2028年度のまちびらきを目指しています。新しい住宅は、周辺の中古の住まいにとっては競合にもなります。
「新駅で必ず上がる」と言い切る話には注意
将来の価格を正確に言い当てることは誰にもできません。新駅の計画は売却の判断材料のひとつですが、価格を決めるのは最後は駅からの距離・築年数・広さ・管理の状態と、そのとき売りに出ている競合です。
新駅の近くで売却を考えている方へ
1. いまの売出の状況を、毎月の数字で見る。エリア別レポートは毎月1日に更新され、過去の号も残ります。新駅の発表や開業の前後で、売出の件数と価格がどう動くかを同じ物差しで追えます。
2. 新しい住宅が出てくる時期を意識する。九大跡地のまちびらきは2028年度の目標です。新しい住宅の売り出しが本格化する前と後では、周辺の中古物件の競合の数が変わります。
3. 待つ場合は、待つ間に変わることも数える。開業を待つ間も、建物の築年数は進みます。待つか売るかは、待つことで得られる見込みと、その間の築年数・ご事情の変化を並べて考えるのが現実的です。
当社の査定では、東区の成約事例と、いま同じエリアで売りに出ている物件を突き合わせて、査定額と根拠をお伝えします。売るかどうか決めていない段階でもご相談いただけます。
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Q. JR貝塚駅はいつ開業しますか?
JR九州は2026年10月15日に、開業時期を「2027年春」(予定)と発表しました。開業の日付は、2026年11月3日時点では発表されていません。JR九州は、開業にあわせた福岡都市圏の列車の運行体系の詳細を「2026年冬頃」に知らせる予定としています。
Q. JR貝塚駅はどこにできますか?
鹿児島本線の千早駅と箱崎駅の間で、千早駅から2.3km、箱崎駅から1.7kmの位置です(JR九州 2025年12月25日発表)。福岡市の貝塚駅周辺土地区画整理事業(東区筥松3・4丁目、箱崎6・7丁目の各一部、約23.4ha)の地区には地下鉄箱崎線・西鉄貝塚線の貝塚駅が含まれ、JR新駅の駅前広場もこの事業で整備されます。
Q. 地下鉄・西鉄の貝塚駅と乗り換えできますか?
乗り換えの経路や歩く時間は、2026年11月3日時点で発表を確認できていません。福岡市は、駅の開業と同時に自由通路を供用する予定としています。区画整理では、貝塚駅の西口・東口とJR新駅の3か所に駅前広場を整備する計画です。
Q. JR貝塚駅に快速は止まりますか?
止まる列車の種別や本数は、2026年11月3日時点で発表されていません。JR九州は、増発や等間隔ダイヤ・パターンダイヤの導入を検討しており、詳細を2026年冬頃に知らせる予定としています。
Q. 新駅ができると周辺のマンションは値上がりしますか?
一律に上がるとは言えません。新駅の計画はすでに公表されており、買い手もそれを知ったうえで価格を判断します。また、新駅のまわりの区画整理や九大跡地では新しい住宅もつくられるため、周辺の中古物件にとっては競合が増える面もあります。いまの売出の件数と価格は、東区のエリア別の売却レポート(毎月1日更新)で確かめられます。
出典
- JR九州「鹿児島本線 新駅(千早駅~箱崎駅間)の名称を決定しました!」2025年12月25日
- JR九州「快適な列車・駅のご利用に向けた取り組みについて(鉄道アップデート計画 第2弾)」2026年10月15日
- 福岡市「JR貝塚駅」2026年10月15日更新
- 福岡市「貝塚駅周辺土地区画整理事業 事業計画書(第3回変更)」令和6年3月
- 住友商事「九州大学箱崎キャンパス跡地地区におけるまちづくり 土地利用事業者に正式決定」2026年3月26日
- 売出データ:当社集計(主要不動産ポータルの掲載情報を横断収集・重複除去した売出中の実勢データ。エリアは毎月1日、区は毎週月曜集計)
※ 記載の㎡単価は売出価格の中央値であり、成約価格ではありません。最新値は本文中の各レポートページでご確認ください。発表内容は2026年11月3日時点で確認したものです。
